2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

通り雨のごとく

今日で、5月が終わります。 わずか一か月ほどの間、私たちは、以前の日常 生活が取り戻されるのではないか、と日ごと期待 を募らせ、実際に、有事における宣言は解除される こととなりました。 しかし、危機は、通り雨のごとく、私たちの頭上 を通過したので…

書くことにつく前に

絶対的な、たったひとつの自己からなる人間は、 存在しません。 論文レベルでは、「私」でなく、「われわれ」 を主語にする所以(ゆえん)です。 それゆえ、書くことの極意(ごくい)は、書く ことと読むことを一体のものとして考えること。 読み書きの行為…

自己PR

これまで、就職や転職活動に伴う「自己PR」に対し、 何度もアドバイスをおこなってきました。 実際に、就職活動全般に関するハウツー本は、たくさん 出ていて、各大学にも就職支援センターはあります。 しかし、主たる対象は、日本人学生なので、留学生は、 …

朝型の生活

反省しています、いつも。 完全な朝型の生活に切り替えられないことを。 言い訳がましいですが、学生時代のほうが、 完全ではなくとも、学位論文完成という大きな 目標のため、それがおこなえていました。 現在は、生活の要素がもっと複雑になっていて… 無論…

時間術

今日の午前、新規のレッスン希望者に、30分の無料 カウンセリングをおこないました。 大学の3年次編入を考えていて、受験に、小論文が 必要だそうです。 すでにいくつか、受験する大学の候補を決めている ようですが、「本命」と「滑り止め」をつくるのは、…

学歴+α

今日は、朝一番にうれしいニュースが入ってきました! 緊急事態宣言の解除を受けて、図書館が再開されると のこと。 早速、読まねばならない本を、まとめて借りに行きます。 さて、昨日は、コロナ禍を経て、ひとびとの価値観も 変わったのではないか? とい…

フレキシビリティ

早いもので、このブログを開始してから、今日で ちょうど2か月が経ちました。 ブログを書くこと自体、初めてだったので、最初は、 何をどう書くか手探りの日々でした。 並行して、投稿論文を執筆していましたが、難しかった のはブログのほうです。 何より…

可能性を引き出す

今週は、リファレンスや推敲、締め切りなどに ついてお話ししながら、それらが、より広い世界 に反映される可能性について、考えてみました。 リファレンス→「知」の資本。 推敲→自己を客観視する行為につながる。 締め切り→時間術 大切なことがらなので、真…

締め切り、それは...

締め切り、それは、きつい「縛り」であるととも に、この上ないカタルシスをもたらす「解放」! …といいたい。 学位論文のほかに、修士課程ともなると、研究業績 を意識して、意欲的に論文の投稿をおこないます。 研究業績が増えてくると、ときには、外部か…

「見てもらう」ことを意識する

「書く」という行為には、何かしらのかたちで、 書いたものを他人の目に触れさせるという目的が、 ほとんどの場合伴います。 それを意識に留めるか、意識を持たずに漠然と 書き進んでいくかで、到達点は、まったく異なる ものとなるでしょう。 「正確さ」は…

芸術作品ではないが/芸術作品ではないからこそ

たとえば、前衛的な画家なら、まるでオートマティズム (Automatism)のようにして、一気に描き上げた絵を、 手直しすることはない。 あるいは、バンドのミュージシャンが、一発録り (いっぱつどり)で編集しない音源を、あえてリリース することもある。 …

「推敲(すいこう)」の話

推敲(すいこう)――それは、文章を書いて他人に 見せる際、特に重要でありながら、最も基本的な行為 です。 学校などの機関では、論述指導と称して、フォーマット 的な部分は教えてくれますね。 しかし、推敲について、力説する教員は――遺憾ながら ――多くは…

リファレンス(reference)

「リファレンス」は、多ければ多いほどよいです! と、今日の結論を、先にいわせてもらいます。 皆さん、こんにちは。 週明けから、はっきりしないお天気が続きますね。 緊急事態も、宣言の解除まで、あと一息という ところなのに、なかなか基準を満たさず、…

夜の声

以前から、よく散歩をしていましたが、出かけられる 場所が 減ってからは、その機会が増えました。 密集を避け、早足で歩きます。 快適な季節なので、夜の散歩も、気分転換にはぴったり です。 闇(やみ)のなかでは、視覚が弱まる分、聴覚が敏感に なるせい…

映画『羊と鋼(はがね)の森』

雨の週末となりました… 新学期が始まったばかりの皆さんは、緊張感のなか に日々を過ごしているかもしれませんが、一息つき ながら、課題に取り組んでほしいと思います。 最近、音声に関するお話をしました。 その流れから、今日は、映画『羊と鋼の森』(201…

日本語の音声:拍(はく)

昨日に続いて、日本語の音声の基本的な法則について お話しします。 日本語の音声の拍は、「等拍(とうはく)」です。 つまり、1音、1音が、同じ長さで発音されます。 これは、日本語を正しく、かつ、きれいに発音するのに 重要な点です。 しかし、こちらは…

日本語の音声:高さ

先日書いたように、母語の干渉や個々人の癖等がある ため、 音声の指導には、すべての学習者に対応できる たった一つの方法 がありません。 それゆえ、プライベートレッスンのような形態は、 適しているといえますが、個人でも、日本語の音声の 基本的な法則…

音声の授業

皆さんは、日本語学校や大学で、どのくらい音声の 授業を受けたことがありますか? もし、かなりの時間を割き、音声を教えてもらえた のなら、その学校は誠実だといえます。 ありていにお話しすると、日本語教育のなかで、立ち 遅れているのが、「音声」の分…

就職、転職に際して

『日本語空間』は、アカデミックジャパニーズの 論述指導に 、一応特化をしていますが、これまで の縁から、別な依頼を受けることもあります。 論文提出の締め切りが近くなると、その関係の依頼 が多くなるので、別件はお断りすることもありますが、 現在は…

ワンちゃん?

仙厓義梵 せんがいぎぼん(1750-1837)『犬図』 以前に、外国人の学習者と話していて、相手がふしぎな ことをいう ので、首をかしげてしまいました。 2度ほど「ワンちゃん」といったのですが、犬とは関係ない話だった ので… よく聞いてみると「ワンチャン」…

地元愛と方言(2)

大学院で知り合った関西出身の学生が、あるとき「東京弁 では、そういうかもしれないけれど」といいました。 東京弁? 聞きなれないことばでしたが、それは私が、東京のことば を無意識に、標準語と同じように捉えてしまっていたせい かもしれません。 その…

地元愛と方言(1)

「地元(じもと)」といったとき、それは、自身の生活 している 場所、生活圏(せいかつけん)を指しますね。 もし、生まれた場所と、現在まで暮らしている場所が 一致するひとは、地元がどこであるかが、自明のごとく ピッタリしたものなのでしょう。 けれ…

蘭学(らんがく)・写真・カステラ

以前に紹介した映画『合葬』のなかで、主人公の一人・ 悌二郎(ていじろう)は、「長崎帰り(ながさきがえり)」 という設定。 1868年当時、新しい学問を身につけたインテリといえます。 鎖国体制が敷かれた江戸時代にも、長崎は、公的には唯一、 外国へと開…

(仮想)旅へのいざない

地震に、雨、雷と、何だか昨日から暗いので、今日は趣向 を変えたお話をしましょう。 現在は、残念ながら旅行自体が不可能ですが、文章の終わり に、ネット上で、旅の雰囲気だけでも味わってもらえれば と思います。 最近、日本の近代とキリスト教について記…

ゼミ選び(3)

先日、大学や大学院、専門の異なり超え、ゼミの先生 には「人間性」を重視したいと書きました。 しかし、具体的に、それは何を指すのでしょうか? 大学以上を、高等の教育機関と捉えるとき、現実的な 事情はさておいて、導き出されるのは「専門教育」の 使命…

ゼミ選び(2)

昨日に続き、あえて気兼ねせずに、思ったことを書きます。 以前にくらべれば、日本の大学や大学院において、留学生 へのケアやサポートは充実してきたといえます。 しかし、外国の大学の国際性に鑑(かんが)みれば、まだ まだですね。 日本人学生、外国人学…

ゼミ選び(1)

ゼミを選ぶときには、いくつかの観点があります。 まずは、自身の専門、研究テーマが、ゼミの先生と 重なること。 大学卒業以降も、専門性の高い分野での就職や、さらに 研究者としての独り立ちを目指すひとには重要な点です。 特に大学院の場合、専門分野が…