ゼミ選び(1)

ゼミを選ぶときには、いくつかの観点があります。

 

まずは、自身の専門、研究テーマが、ゼミの先生と

重なること。

大学卒業以降も、専門性の高い分野での就職や、さらに
研究者としての独り立ちを目指すひとには重要な点です。
 

特に大学院の場合、専門分野が絞られてきますから、

よい先生に巡り合えるかどうかは、研究にとっての死活

問題となります。

 

ただし、留意したいのは、先生との距離の取り方です。

 
遠慮しすぎるのもよくありませんが、距離が近くなりすぎて

身動きが取れなくなるのも、また考えものです。

そのような結果、テーマが似通ってしまったり、「異論」

を許容してもらえなくなったりする、といったケースも

あります。

 

やや唐突ですが、ここで、話しにくいことをあえて書きます。

大学、大学院の教員には、教育者と研究者というふたつの
顔があります。
けれども、そこに務めて報酬を得る以上、あくまで優先
される べきは、教育者としての立場です。
 

ことばをかえれば、大学の教員として教えていても、

皆が皆、研究の方面で第一線の活躍をしているわけではあり

ません。

 

学校では、教える仕事の他に、多量のペーパーワークや事務

をこなさねばならず、授業の準備や後処理もあります。

その他、教員や研究者、学生とのつきあい等に費やされる

時間を除いて、研究の時間を確保するのは至難のわざです。

 

それでも第一線で活躍している先生は、かなり精力的で、

研究者としての意識が高いといえます。

 

一方、大学で、ある先生のゼミに入ることで一生が決まる、

というような話には、真実味があります。

たとえば、経済界に太いパイプを持つ先生のゼミに属し、

優秀な成績を収め、気に入られる。

そうして有名企業に推薦してもらい、定年退職までを勤め

上げる、というのも、めずらしい話ではありません。

 

また逆の発想で、大学を卒業したら、大学院に進むつもりは

なく「ゼミの負担を減らしたい」という学生もいますね。

 そのような場合、先生と自身の専門性を、徹底的にすり
合わせる必要はないでしょう。
 

このタイプのひとには、学生の個人的な事情を汲んでくれる

寛容な性格の先生が、向いているのではないかと思われます。

 

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      海を渡る蝶「アサギマダラ」

   浅葱(あさぎ)は、緑がかった明るい水色で、
  まだらは、色の濃淡や、色が混じり合っている
  ようすです。