書くこと

文章との距離

文章は、長くなればなるほど、自分自身との間に距離 を取らないと、全体が視野に入りません。 あたりまえのことのようですが、距離が近すぎると、 書き進められなくなってしまいます。 以前、外国に投稿をしたとき、審査を通過したのは よかったのですが、最…

静謐(せいひつ)な時間

論文の完成まで、あと一息というところで、簡単に 仕上げたくない気持ちに引かれ、踏みとどまって います。 懐疑すること。 限定的に答えが決まっていないからこそ、「わかった つもりにならず」、何度でも問いを繰り返すこと。 事務所から家に戻る時間が惜…

文章の中を循環する

投稿論文の締め切りが迫ってきたため、最後の仕上げに 向かっています。 字数制限は、一般的である2万字。 いったんは、かなりの字数オーバーとなりました。 しかし、その後、字数を減らしつつ、表現を整えていく のは毎度のこと。 誰から教わったのでもな…

立体的に書く

いささか唐突ですが… このブログを訪れるすべての方のニーズに、お応え できないことが、遺憾であります。 良かれと判断して書いた内容が、誤解や混乱を与え ないことを願っています。 最近、私自身が、どこに向かって書くべきなのか、 迷い、悩んでいました…

文体の手触(てざわ)り

書く人間の数だけ文体がある、といえば、語弊 (ごへい)があるかもしれませんが。 文章を読むときには、その書き手の背後にある ものが、浮かび上がります。 昨日からお話ししている「新書」に、例をとっても、 そのようすは、明らかです。 『日本語空間』…

字数不足と「薄い」記述の克服

昨日に続き、字数制限のなかで、いかに濃い内容を、 適切な文体で書くか、を考えていきます。 すでに、長い論述を多くこなしているひとには、あて はまりませんが。書くこと自体に苦手意識がある場合、 やはり、それは「書く」以前の準備が足りていないの で…

字数制限に学ぶ

字数制限と「たたかう」、字数制限に「悩む」、 どちらにするか迷っていましたが、やはり、肯定的 な意味を込め、タイトルの通りにしました。 大小さまざまな論文、レポートその他、多くの原稿 には、字数制限がつきものです。 字数制限の前で、立ち止まると…

締め切り、それは...

締め切り、それは、きつい「縛り」であるととも に、この上ないカタルシスをもたらす「解放」! …といいたい。 学位論文のほかに、修士課程ともなると、研究業績 を意識して、意欲的に論文の投稿をおこないます。 研究業績が増えてくると、ときには、外部か…

「見てもらう」ことを意識する

「書く」という行為には、何かしらのかたちで、 書いたものを他人の目に触れさせるという目的が、 ほとんどの場合伴います。 それを意識に留めるか、意識を持たずに漠然と 書き進んでいくかで、到達点は、まったく異なる ものとなるでしょう。 「正確さ」は…

芸術作品ではないが/芸術作品ではないからこそ

たとえば、前衛的な画家なら、まるでオートマティズム (Automatism)のようにして、一気に描き上げた絵を、 手直しすることはない。 あるいは、バンドのミュージシャンが、一発録り (いっぱつどり)で編集しない音源を、あえてリリース することもある。 …

「推敲(すいこう)」の話

推敲(すいこう)――それは、文章を書いて他人に 見せる際、特に重要でありながら、最も基本的な行為 です。 学校などの機関では、論述指導と称して、フォーマット 的な部分は教えてくれますね。 しかし、推敲について、力説する教員は――遺憾ながら ――多くは…

投稿論文

昨秋、外国の研究所に投稿をしました。 その結果、審査を通過した私の論文は、掲載される 運びとなり、今日その雑誌本体と抜き刷り(ぬきずり) が届きました。 コロナ禍(か)のため、発送してもらってから3週間 もかかったのですが。 郵便の追跡番号で動き…