ゼミ選び(2)

 

昨日に続き、あえて気兼ねせずに、思ったことを書きます。

 

以前にくらべれば、日本の大学や大学院において、留学生

へのケアやサポートは充実してきたといえます。

しかし、外国の大学の国際性に鑑(かんが)みれば、まだ
まだですね。
 

日本人学生、外国人学生に関係なく、ゼミの先生は、親切

であるのに越したことはありません。

 

しかし、留学生だからこそ、ゼミ選びにおいて特に大切なの

は、担当教員の「人間性」だと考えられます。

 

いくら卓越した研究能力を持っていても、指導そのものが

的確でも、最終的に頼れるのは誠実な先生でしょう。

 相性というのもありますが、ニュートラルな見地から、
その先生自身の人間性がもっと重要です。
 

以前に、学位論文のサポートをした留学生から直接聞いた話

で、残念だったのは、ゼミの担当教員による論文の指導放棄

でした。

文字に表すと衝撃的ですが…
 

レポートと異なり、最低でも2万の文字数からなる論文を、

それなりの質をもって完成させるのは、日本人でも容易では

ないのに。

 

大学3年以上、さらに大学院生ともなれば、留学生であって

も、勉学上の一定の自律が暗黙の裡(うち)にもとめられて

はいます。

しかし、それが建前であっても、外国人学生を日本人学生と

まったく同様に扱うのは、不人情だといわねばなりません。

 
それとは対照的に、やはり留学生から聞いた心温まる話は、
ゼミの担当教員が、卒業間近の余裕がない時期に、寛容な
態度で接してくれたというものです。

→断言はできませんが、事務的な一応の取り決めも、場合に

よっては教授の一言で、融通(ゆうずう)してもらえること

があります。

 

いずれにしても、日本で留学生活を送る皆さんにとって、

将来の就職や進路にかかわるゼミが、意義あるものになる

ことを願ってやみません。

 

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       安藤忠雄 設計『光の教会

 

    安藤氏は、高校時代にボクサーとして
    デビュー。建築は独学でまなぶという
    異色の経歴の持ち主で、東京大学
    教授も務めました。