日本語の音声:拍(はく)

昨日に続いて、日本語の音声の基本的な法則について

お話しします。

 
 

日本語の音声の拍は、「等拍(とうはく)」です。

つまり、1音、1音が、同じ長さで発音されます。

 
 

これは、日本語を正しく、かつ、きれいに発音するのに

重要な点です。

 
 

しかし、こちらは、高低アクセントよりもシンプルなの

で、理論的には把握しやすいでしょう。

 
 

以下に表した日本語の基本的な音は、すべて「1拍」で、

同じ長さになります。

 

(1)「あ・い・う・え・お」、「ア・イ・ウ・エ・オ

   のような母音(ぼいん)

 
 

(2)「か・き・く・け・こ」、「カ・キ・ク・ケ・コ」

   のような子音と(しいん)母音が組み合わさった音

 

  

(3)「きゃ・きゅ・きょ」、「キャ・キュ・キョ」

   のような大文字と小文字で組み合わされる

   拗音(ようおん) 

 

(4)「う」、「―」のような、前の音を受けて伸ばす

   長音(ちょうおん)

 

 

(5)「っ」、「ッ」のような、前の音の後に小文字で

   書かれる

   促音(そくおん)

 

(6)「ん」「ン」のような、はねる音である

   撥音(はつおん)

 

(1)、(2)が、1拍なのは、自然だと感じられるでしょう。

しかし、2文字からなる(3)や、それだけでは単語として

成立しない(4)、(5)、(6)も、すべて1拍なのです。

 

例)専門学校(せんもんがっこう)6拍

  教科書問題(きょうかしょもんだい)8拍

  インターネットバンキング 12拍

 

外国人学習者の音声には、(4)、(5)、(6)の「1拍」

の長さが足りていない(短い)ことが、よくあります。

 

1拍分が、完全に抜けていたり、「半拍」になっていたり

すると、音が「詰まって」聞こえるので、注意をしましょう。

 

☆彡 拍のポイント

 

・「学校(がっこう)」のように、長音が最後にくるときは、

 gakko ではなく、gakkō(がっこお)と、最後まで1拍分を

 意識して発音する。

 

・撥音の「ん」は、鼻からしっかり息を抜かないと、1拍に

 ならない。

 

・「新幹線(しんかんせん)」のような名詞では、間の「ん」

 と最後の「ん」の長さを、しっかり意識する。

 

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