理系の学習者

昨今は、思想界において、理系と文系の距離が

縮まっているように、見受けられます。

 

『日本語空間』では、昨年まで、比率的には、

文系の学習者からの依頼が多かったです。

 

しかし、最近流れが変わり、半数が、理系専攻

の学習者となりました。 

ただし、レッスン内容はさまざまです。

 

そのうち二人の方が、専門分野に関する「新書」

(各出版社から出ている文庫本)を使い、レッスン

をおこなっています。

  

一人は、電子工学専攻の留学生で、大学編入

目指し、小論文の書き方を学んでいます。

 

もう一人は、学生ではなく、大学の医学部の教授

(女性)で、1年の サバティカルイヤーを送って

いる最中です。

 

仕事中、同僚とは、基本的に英語で会話している

そうですが、せっかくの機会だからと、大変熱心に、

日本語を学んでいます。

  

レッスンスタート時は、カンファレンスで配付される

レジュメの日本語版 を、読解したいという希望でした。

しかし、日本語を学習するのが初めてであったため、

文字では理解できても、 現場で、聞き取りをするのが

難しく、方針を変えることになりました。

  

まずは、初級のテキストを終え、現在は、ご本人の

希望で、新書を使い、 音読の練習と読解をおこなって

います。

  

声に出して読みながら、日本語のリズムを体得したい、

そして、書きことば 独特の言い回しは、理解しづらい

が、とても興味がある、とのことです。

 

初級の直後に、JLPTのN1レベルより難易度の高い、

新書へとジャンプするのは、普通ではありえません。

しかし、少しでも早く日本語を上達させたいという

希望を満たすには、知的好奇心を原動力にする、この

ようなスタイルが合っているのでしょう。

 

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近代日本で初めて国家資格を取得した女性の

 医師・荻野吟子 おぎのぎんこ(1851-1913)